大学時代というものは、既にそこが過ぎ去った大人に言わせると、「色々な人に出会うお祭りのような時間」らしいです。僕はまだ大学に入学したてで、まだ中々その言葉の意味を理解するところまでいかないのですが、うちの母親や姉は異口同音に大学生活の楽しさを伝えてきます。
母は大学時代に父親と出会い、大恋愛の末(本人がこう言っていました)にゴールインし、その後僕と姉を授かったとのことですが、「大学時代の面白い友人たちに助けてもらわなければ、あんたたちは生まれてこなかったかもよ?」と、とても懐かしそうに話してくれました。
ただ、現在進行形で大学生活中の僕は、「そんな話よりまともな友人をください」と神様にでも祈りたい気分なのです。それというのも、入学後最初に受けた講義の際、隣にたまたま座った女子に妙に懐かれてしまったようで、どこにいくにも「ご一緒しましょ」などと付きまとわれて少し困っているのです。
しかもその子は、どうやらどこぞのお金持ちのご息女らしく、どこか一般常識に欠けるのです。例えば、「独りで暮らしている自宅マンションに金庫があるが、鍵をどこかにやってしまった。鍵屋に解錠を頼みたいけど中を見られたりしないかしら?」など、一般庶民の僕ではぶっちゃけ答えられないことをよく相談してくるのです。
こんな訳の分からない相談をされる度、僕は「知るか!」と言いたくなるのですが、その子がこちらに寄せる期待と信頼の目を見る都度、何となく話し相手になってしまいます。
これが果たして母や姉の言う「充実したキャンパスライフ」というやつなのでしょうか?その友だちからの相談と同じく、僕には分かりかねるのでした。
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