レトロな金庫の使い道

世の中、「昔から残って来た品物」が時に注目されることがあります。例えば、自分たちが小学生だったころに流行っていた「ゲーム機」だったりとか、時代を越えて存在している「骨董品」と呼ばれているようなアイテムなど、それらが実際に使われていたころにはあまり価値が無いと思われていた品々が急に注目を集めるタイミングがあるようなのです。
これは何も、「世間的に広い関心を集める」という意味合いだけではありません。もっと狭い範囲、例えば自分の家族の中だけで古い品物が重宝されることが時折あります。

実際、私の場合は家に何十年も前の金庫があり、注目されるまでは「何だか古臭いレトロな品物」という扱いにすぎませんでした。年末の大掃除の折など、「この金庫まだ置いておくの~?」と誰かが必ず言い出す始末。正直、使い道は無いのではなかろうかと、家族の誰もが思っていたのです。

このレトロな金庫に明確な使い道が生まれたのは、今から1年前のこと。私の兄がお嫁さんを貰い、実家の商売の後を継ぐと決まった時でした。この兄の奥さんが、家の片隅に追いやられて埃をかぶっていた金庫を見るなり、「これ、お店でデコレーション用に貰ってもいいですか?」と言い出したのです。
彼女の手により掃除とメンテナンスがされた古い金庫は、兄夫婦が後を引き継いだお店に移されると、途端にアンティークな良い雰囲気の品物にその表情を変えたのです。これには家族全員が驚いてしまいました。
「物は何でも使いよう」だと、私が実感した瞬間です。