ウチのチャーハンのレシピは門外不出。金庫に保管してあるぜ

チャーハンがうまい店はラーメンもうまい。それをよく耳にしながら育ってきたから、自分がラーメン屋になった今もそれを意識してきた。結果としてチャーハンはどこの店にも負けないくらいうまいものができたと思っているし、実際お客さんたちもうちのチャーハンが大好きだ。ラーメン屋というよりチャーハン屋みたいになってしまっているのがちょっとアレだが…。

そんなうちの自慢のチャーハン。こればっかりは誰にもレシピは教えられない、門外不出ってやつだ。俺が何年もかけて辿り着いたこの味を、ライバルはもちろん一般人にだって真似はさせたくないからね。新人を雇った時も最後までチャーハンは教えないし、できることなら俺をもう一人作って俺以外はチャーハンを作らないようにしたいくらいだ。

とはいっても、さすがに俺だって他のことをしなきゃならない時や、店を休んでスタッフに任せなきゃならない時もある。今は自分が休む日は店も休みにしているが、今後もずっとそのままかはわからない。それに、いつかはこの店を誰かに継いで欲しいという気持ちだってある。だからレシピを紙に残してあるんだが、それは売上と一緒に金庫に保管してあるぜ。自分の感覚としては、売上金よりも厳重に守っているくらいのつもりだ。だってこのレシピは、何物にも変えられない俺のこれまでの経験と試行錯誤の結晶なんだ。金はなくなったってまた稼げばいいが、このレシピだけは誰にも漏らすことはできない、金より大事なものなんだ。

金庫ってのは「金」の「庫」と書くから金だけ入れときゃいいと思うかもしれないが、金より大事なものなんだからレシピだって金庫。大切なものをしっかりと守ってもらうために、金庫だって最新式。俺の全てが、この金庫に詰まっているってことだね。